ご遺族からご逝去の一報を受けた際、私たち葬儀社の担当者が最初に行うことの一つが、カレンダーを広げ、友引と火葬場の休業日、そして関連する祝祭日を迅速に確認することです。ご遺族の深い悲しみに寄り添いながらも、限られた時間の中で滞りなく儀式を執り行うためには、この初動における情報整理と的確な判断が極めて重要になります。まず、私たちはご遺族に友引の慣習と、それに伴う地域の火葬場の休業状況を丁寧にご説明します。その上で、故人様の安置場所(ご自宅か斎場の安置室か)、菩提寺など宗教者の都合、そして国内外の遠方から駆けつける主要な親族の移動に必要な時間などを詳細にヒアリングします。これらの情報を基に、複数の日程パターンを具体的なタイムスケジュールと共に提案します。例えば、友引が間に挟まる場合は、「友引の前日にお通夜、友引を一日空けて翌日に告別式」というプランや、「友引当日にお通夜、翌日に告別式」といったプランが考えられます。ここで注意が必要なのは、友引の翌日は火葬場の予約が非常に混み合うという点です。二日分の火葬が集中するため、希望の時間帯が取れず、午後遅くの火葬になってしまうことも少なくありません。そうなると、告別式の開始時間もそれに合わせて調整する必要があり、遠方からの参列者が日帰りできなくなる可能性なども考慮に入れなければなりません。また、亡くなられてから火葬までの日数が4日、5日と開いてしまう場合は、ご遺体の状態を衛生的に、そして生前のお姿に近い状態で保つためのエンバーミング処置や、より設備の整った安置施設へのご移動といった専門的な手配も、ご遺族のご意向を伺いながら提案・実行します。このように、私たちは暦という見えない制約の中で、様々な要素をパズルのように組み合わせ、ご遺族にとって最善のお見送りができるよう、常に最善の策を模索しているのです。
葬儀社は日程をどう調整するのか