お子様と参列する際の服装の心得
お子様を連れて葬儀に参列することになった際、その服装に悩む保護者の方は少なくありません。大人のように厳格な決まりはありませんが、故人様を悼むという場の意味を教え、ふさわしい装いをさせることも大切な教育の一環と言えるでしょう。まず、お子様が通っている学校に制服がある場合は、それが最も正式な礼装となります。校則に従ってきちんと着せ、靴や靴下も指定のもので揃えれば間違いありません。制服がない場合は、黒や紺、濃いグレーといったダークカラーでまとめます。キャラクターものやカラフルな柄、華美な装飾がついた服は避けましょう。男の子であれば、白いシャツに黒や紺のズボン、同系色のブレザーやカーディガンを合わせます。女の子の場合は、黒や紺の無地のワンピースや、白いブラウスに同系色のスカートといった組み合わせが適しています。足元は、黒か白の無地の靴下と、黒のシンプルな靴が理想です。乳幼児の場合も、やはり落ち着いた色合いのベビー服を選びましょう。そして服装以上に大切なのが、お子様への事前の心構えの説明です。「これから行く場所は、静かに過ごす大切な場所だよ」など、年齢に応じて分かりやすい言葉で伝えておくことで、お子様も心の準備ができます。また、長時間静かにしているのが難しい年齢のお子様の場合は、音の出ない絵本や小さなノートと鉛筆などを持参するのも一つの方法です。もし会場でぐずってしまった場合は、無理にその場に留まらず、他の方の迷惑にならないよう、速やかにロビーなどへ出て気持ちを落ち着かせてあげましょう。事前に斎場の授乳室やおむつ替えスペースの有無を確認しておくと、さらに安心です。服装と心の両方の準備を整えることが、お子様にとっても故人との別れを経験する貴重な機会となります。