訃報はいつも突然であり、仕事の合間を縫って急いで葬儀場へ駆けつけなければならない場面もあります。開式まで残り10分という極限の状態でも、更衣室で焦らず着替えるための「スピード着替え法」を覚えておきましょう。まず、更衣室に入る前に、移動中の車内や駅のトイレでできる準備は済ませておきます。例えば、靴下を黒に履き替え、シャツのボタンを上まで留めておくといったことです。更衣室に入ったら、まず大きなバッグを所定の場所に置き、迷いなくガーメントケースを開きます。この際、服をハンガーから外す動作を1回で行い、すぐに袖を通します。ネクタイはあらかじめ結び目の形を作っておいたものを首にかけるだけにすれば、数秒の短縮になります。スピード着替えのコツは、1つの動作で2つのことを終わらせる意識を持つことです。例えば、パンツを履きながら次に締めるベルトを手に取るといった具合です。また、この緊急時に1番やってはいけないのが「小物の探索」です。数珠や袱紗をバッグの奥から探し出す時間は、焦りを生み、さらなるミスを誘発します。緊急時こそ、パッキングの段階でこれらを外ポケットなどの取り出しやすい場所に配置しておくことが1番の防御策となります。着替えが終わったら、髪をとかす時間は30秒以内と決め、鏡でのチェックは「1.襟元、2.ネクタイ(または胸元)、3.足元」の3点に絞ります。全体を見ようとすると時間が足りなくなりますが、この3点さえ整っていれば、急いで準備したようには見えません。更衣室を出る際は、脱いだ服を綺麗に畳む時間さえ惜しいかもしれませんが、ぐちゃぐちゃのまま放置するのはマナー違反です。とりあえずガーメントケースに押し込み、チャックを閉めて、クロークへ預けます。そして、式場の入り口で大きく1回深呼吸をして、平静を取り戻してから一歩を踏み出します。急いでいても、式場の中ではゆっくりと動くことが、周囲への配慮です。更衣室でのスピード着替えは、単なる時間短縮ではなく、大切な儀式に間に合わせるための「執念」でもあります。故人に会いたいという強い気持ちを、無駄のない動きに変えて、最後の瞬間に立ち会いましょう。そのための更衣室は、あなたにとっての「最後の砦」となるはずです。
急な参列でも慌てない更衣室でのスピード着替え法