私が葬儀プランナーとして働き始めてから、今年でちょうど12年目を迎えました。朝の8時30分に出社し、最初に行うのは当日の葬儀の最終チェックです。会場に並ぶ花の色合い、マイクの音量、焼香台の配置まで、1ミリの妥協も許されません。その後、前夜に訃報を受けた新しいお客様のご自宅へ向かいます。到着すると、そこにはまだ現実を受け入れられない遺族の皆様がいらっしゃいます。1番神経を使うのは、この最初の1時間の対話です。悲しみに暮れる皆様に寄り添いつつも、限られた時間の中で火葬場の空き状況を確認し、式の日程を決めなければなりません。プランナーとしての私のこだわりは、故人のエピソードを1つでも多く聞き出すことです。以前、大の釣り好きだった男性の葬儀を担当した際は、祭壇に本物の釣り竿を飾り、背景には海をイメージした青い花を敷き詰めました。参列者の皆様が「お父さんらしいね」と笑いながら涙を流す姿を見て、この仕事の真意を再確認しました。15時からは明日の式の設営に入り、その後は事務作業。18時を過ぎても、緊急の電話が入れば深夜でも病院へお迎えに上がります。体力的には決して楽な仕事ではありませんし、プライベートの予定が急に変更になることも日常茶飯事です。しかし、私は自分のことを単なる「葬儀屋」だとは思っていません。人生の総決算を、その人らしく彩るためのデザイナーだというプライドを持っています。最近では、生前相談も増えてきました。50代や60代の方が「自分の時はこうしてほしい」と明るく語る姿に、死生観の変化を感じることもあります。葬儀プランナーに必要なのは、特別な才能ではなく、目の前の人の悲しみに逃げずに立ち向かう誠実さです。12年間で担当した1000件以上の式は、どれも1つとして同じものはありませんでした。1人ひとりの人生に深く関わらせていただくこの仕事に、私は誇りを持っています。明日もまた、誰かの大切な時間を守るために、私は黒いスーツを纏って現場に立ち続けます。